大変お待たせいたしました。

まきちゃんぐ8年ぶりのアルバムリリースです。

出します出しますと言い続けて数年、やっと山が動きました。

冗談はそこそこに、これもずっと動かぬ山を見守り続けてくださったあなたのおかげです。

まずは心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 

さて、今回のアルバムタイトル「逆光」には、俳人 夏井いつきさんの言葉からインスピレーションを受けて作ったリード曲「風が強い日の旗は美しい」や、ファンからの支持も多い「シャドウ」「愛が消えないように」など、自分自身と向き合う強さが込められています。

なかなか思うようにライブが出来なかった時期もまきちゃんぐ自身を支え続けていた楽曲を収録いたしました。

そっと背中を押す追い風が欲しい時、隣にいてくれる”相棒”のような作品になったと自負しております。

編曲はギタリスト澤近立景さん、アルバムジャケットはライブペインティングパフォーマーの近藤康平さんにお願いいたしました。

アルバムの中も外もこだわった渾身の一枚をお楽しみいただくために、少しライナーノーツを添えてみたので、よかったら目を通していただけると幸いです。

 

 

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「逆光」

 

■風が強い日の旗は美しい

俳人の夏井いつきさんが大切にされている言葉だそうで、あるTV番組でそのことを話されているのを聞いてから私の中でもずっと忘れられない言葉でした。サビの「wow〜」と繰り返す箇所は、強い風が吹く小高い丘の上で大きな旗を持った人が一人踏ん張って立っているイメージです。やがて聴こえてくる仲間の声と共にラストへ向かう箇所が向かい風に立ち向かう追い風のようでドラマチックです。

 

 

■鉄のうた

アルバムタイトルにもなっている”逆光”という言葉が歌詞にでてくる「鉄のうた」は、シンガーソングライターの中村 中さんと共演した時に書いた曲です。一番は中さん、二番は私をテーマに書きました。鉄=固い意志。周りの目を気にしないで自分を生きていけたら。”なにくそ〜(負けないぞ〜)”と思いながらいつもライブで歌っています。

 

 

■不器用

好きな人のことで一喜一憂することを、客観的にみれば滑稽だとわかっているのに、当事者だと急にままならなく(=不器用)なってしまう。片思いの苦しさを味わったことがある人ならサビの歌詞 ”好きというものはこんなにも人を弱くするものなんですね 好きというものはこんなにも嬉しくてこわい” が、より伝わるのではないでしょうか。

 

 

■木造アパート

当時住んでいた物件の一階が中華屋さんで、そこの店主が吸うタバコがものっすごい窓から入ってくるんですよね。ラーメンチャーハンセットが好きでした。

 

 

■シャドウ

すごくショックな一言を言われた時に書いた曲です。もちろんその時は傷ついてそのことで頭がいっぱいになってしまったのですが、何周も回って自分の中で整理できた後に「よしっ」と思って一気に書き上げました。ライブでは直近であったショッキングなことを思い出しながら歌っています。赦したい、難しいけれど。

 

 

■ジンジャエールで乾杯

お酒が弱いのですがお酒の席は好きです。アルコールを断る理由が「お酒弱いんです〜」はつまんないなと思って「今日バイクできてるんです、ええ、ドカティです」って言えたらなと書きました。バイクの免許?持ってないですけど。ジンジャエールは一見ピールに見えるところもポイントですね。カラオケでこれを歌ってくれる女性がいたら仲良くなりたいです。

 

 

■はなのたねまき

ラストの「嵐の中を咲いていけ」だけで一杯飲めます(ジンジャエールが)。この曲ができた時、自分のことを好きになれた、そのくらい良い曲だと自分で思っています。まきちゃんぐの楽曲は歌い上げるものが多い中で、サビでファルセットを使うのも気に入っています。Pf.半田彬倫さんのピアノの隣にマイクを立てて、せーので一発録りした緊張感も伝わる一曲。

 

 

■愛が消えないように

コロナ禍に書きました。消えかけた私の中の音楽への情熱を、絶えないように支え続けてくれた周りの方々への恩返しの歌でもあります。もしそこに消えかけた火があるのなら、あなたが風を起こすのです。かつて誰かがあなたにそうしてくれたように。

 

 

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一つ一つの曲が、ライブが思うように出来なかった時期も自分の中で消えることのなかった小さな光の一粒一粒だと思っています。

逆光は光の方向へ向いているということ。光へ向かう道中、強い風が吹くこともあるでしょう。このアルバムがどうかあなたの追い風になりますように。

 

 

まきちゃんぐ